虚血性腸炎
- 腹痛後に下痢、次第に血便になる
- 便秘傾向の人に多く、下剤の使用でおこることも
- 自然軽快しますが、悪性腫瘍などその他の出血の原因検索が必要
虚血性腸炎について
腸に栄養を運ぶ血管の血流が一時的に低下するより腸管の虚血(血が足りない)を起こし、大腸の粘膜に炎症や潰瘍などの障害が起こる病気です。
珍しいケースでは太い血管が詰まり致死的になることがありますが、一般的によくみられる虚血性(大)腸炎は一時的な血流の低下により起こりその後血流は改善し症状も改善します。
虚血性腸炎の原因
便秘により腸管内圧が上昇した場合にも起こりやすいと考えられています。
典型例としては「便秘になりがちな高齢女性」と言われています。
しかし、20代、30代の若い女性でも比較的多く見られます。
下剤や浣腸を使ったりすることもリスクと言われております。
便の硬さ、腸管の動き(蠕動)などに異常があると起こりやすいと考えられます。
虚血性腸炎の症状
突然の強い腹痛に続き、下痢が起こり、徐々に血便がみられるようになります。
強い腹痛に伴い、吐き気や冷や汗を伴うこともあります。
血便は数日で落ち着きますが、腹痛は虚血の程度によって変化し、重度であるほど発熱を伴ったり、長期間痛みが残ったりします。
虚血性腸炎の検査・診断
経過が特徴的であり、問診が重要になります。
血液の検査では炎症を示す数値の上昇を認めますが、虚血性腸炎以外の疾患でも炎症反応は上昇するため参考程度となります。
症状や経過によっては感染性大腸炎との区別がつきにくいこともあり、この場合には早い段階で内視鏡検査を行い感染症でないことを確認することがあります。
明らかな経過の場合には、症状が落ち着いてから内視鏡検査を行い、狭窄が起こっていないか、悪性腫瘍などがないかなどを確認します。
虚血性腸炎の治療・予防
腸管の虚血があまりにも強い(壊死を起こしている)場合には手術が必要なこともありますが、通常は経過観察で大丈夫です。
便秘などがベースとなっている場合には便秘の治療を開始します。